皮膚のかぶれ、かゆみ、ニオイの原因に!?生理用品(ナプキン、タンポン、ビデ)の選び方
雅治(クリニック院長):女性の体にとって生理は妊娠に適した子宮環境を整えるために大切な役割を果たしています。
しかし、生理期間中は生理痛、イライラ、便秘・下痢などの不快な症状を伴うことが多いため、"煩わしい"というのが正直な感想だと思います。生理期間中の不快感を和らげるための生理用品の使い方を見てみましょう。
奈々(看護師):じゃあ、最初はナプキンを見てみましょう。生理痛がそれほど重くな人でも、長時間の会議、試験、海外旅行など、お手洗いに立つ機会が限定されているときや出血が多い日は、下着を汚してしまわないか不安になるものです。
一昔前のナプキンといえば、何枚も重ねて着用するのが当たり前でしたが、厚み、吸収力などの改良が加えられたり、昼用・夜用・長時間用などのラインナップが登場するなどの改良が重ねられた現在は、一枚きりでラインも気にせずに着用できる快適なナプキンになっています。
しかし、ナプキンの肌に直接触れる部分がコットン素材じゃなかったり、防臭効果のあるデオドラント成分、香料などが原因で、デリケートゾーン周辺の皮膚がかぶれたり、かゆくなったりするなどの症状を訴える女性も少なくありません。またナプキンに付着した血液の酸化、ムレなどによって雑菌が繁殖してかぶれ、かゆみを起こしたり、悪臭を放つこともあります。
ナプキンは毎年のように新製品が登場し、その機能性は高まっていますが、吸収量にはおのずと限界があります。繁殖した雑菌が原因で「外陰炎」や「細菌性膣炎」などの病気になることもあるので、2〜3時間ごとに交換し、清潔を保つようにしましょう。
大手生理用品メーカーの多くのナプキンは、化学繊維(ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨンなど)を素材としていますが、近年は肌がデリケートな女性向けにコットン100%のナプキンや布製のナプキンも数多く登場しています。
洗って何度も使用できる布製のナプキンは、衛生面の理由により煮沸消毒が必要になるものもあります。購入時には洗浄時の注意を必ず確認しましょう。
生理の量が多い場合は、日中でも夜用のナプキンを使って、休み時間などにこまめに交換しましょう。また生理用ショーツのうえに、短いスパッツを重ね履きすると安心できますよ。もし1時間ごとにナプキンを取り換えても、グッショリになるほどの量があるなら、婦人科で先生に診てもらいましょう。
学校の試験勉強、デスクワークなど長時間座っていると、うしろ漏れが心配になり勉強や仕事に集中できない…ということがあります。そういう場合は、うしろが長くて幅広いタイプのナプキンを選びましょう。
多い日の出血もしっかり吸収して、ジェル状に固めてくれます。長時間交換できない場合は、夜用ナプキンを使うとよいでしょう。
体育や部活動、スポーツをしている時にナプキンがズレると集中できませんよね。また体育着だと大きなナプキンをつけると、服のラインが気になるという女の子も…。そういう場合は、羽つきのスリムタイプのナプキンを選ぶとよいでしょう。
このタイプは4つに分かれた羽でショーツを包むと、ナプキンのヨレやズレや横漏れを防いでくれるので安心です。
修学旅行や合宿などの宿泊イベントに生理が重なった場合、夜が不安という女の子も少なくありません。夜寝ている時は本人が思っている以上に寝返りをうったりして動いているものです。
ナプキンがズレたり、漏れたりしないように羽つきで長めの夜用ナプキンを選びましょう。うしろが広いタイプだと、横向きに寝ても安心ですよ。
日本は欧米に比べてナプキンの種類はたくさんあります。吸収性が高く、漏れやズレを防いでくれる優れた製品が数多く登場しているから、どの世代の女性でも生活のシーンにピッタリのナプキンがきっと見つかるはずです。
じゃあ次はタンポンについて。経血量が多くてナプキンでは対処しきれないという女性は、タンポンを利用したうえで、さらにナプキンを当ててみるとよいでしょう。
肌が敏感でナプキンの物理的接触で皮膚がかぶれたり、かゆくなったりする場合、ナプキンに含まれているニオイや雑菌の繁殖を防ぐ薬品が原因であることが多いので、タンポンに変更したら快適になったという声もよく聞きます。
ナプキンと同様にタンポンも長時間交換しないでいると、雑菌の温床となりますので、経血量が多いときは2〜3時間ごと、少ない時では3〜4時間ごとに交換しましょう。
外出先では会社や駅、コンビニのトイレを利用してタンポンを交換する方が多いと思いますが、手を洗わずにそのままタンポンを挿入するのはNGです。雑菌が膣内に入る原因となります。